あたらしいまち

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「私も……、いくら仕事を頑張っても、誰も認めてくれない!生活だって苦しいままだし、女だからってバカにされて、もううんざりよ!」 つられたように叫んだのは、商売人のロザリー。 「俺だって、愛する妻と子供のために頑張ってきたんだ!親友のダイアンが困った時だって、俺が手助けしてどうにかなったってのに……。あいつら、俺を裏切りやがって……!」 次に不満を爆発させたのは、エドワード。 彼らは今までの不満を、ぶちまけた。 「皆さん、ようやく素直になりましたね。では、これから皆さんで街を作りましょう。誰にも邪魔されない、理想の街を……」 古本屋がそう言ってトランクケースを開けると、たくさんの工具や農具が出てきた。 「男性達は、まずはノコギリを持って森に入ってください。いい木を見つけたら、ノコギリで切り込みを入れて手を離してください。あとはノコギリが勝手に動きます。木が倒れたら、ここに運んできてください。女性と子供、老人方は、私が指示した場所に線を引いたり、畑を耕してください。大丈夫、農具もひと振りして地面に刺せば、勝手に耕してくれます」 古本屋が説明すると、彼らは半信半疑に首を傾げつつも、工具や農具を手にした。 男達はノコギリ片手に森へ入ると、木を見つけた。古本屋の言う通りにある程度切り込みを入れて手を離すと、ノコギリは木が倒れるまでひとりでに動いた。 女子供、そして老人達は古本屋の指示で線を引き、その中でくわをひと振りすると、くわはひとりでに畑を耕した。 木が運ばれると、男達は古本屋の指示で、女性達が書いた四角の中に置いた。 古本屋が四角の中にある木の上に工具を置くと、工具達はひとりでに動いて、木を加工したり、釘打ちをしたりする。 「すごい……」 「どうなってんだ?」 「まさに奇跡ね!」 彼らは不思議そうに、目を輝かせながら組み立てられていく木材を見つめる。
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