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……
武流から連絡が有ったのは、
その数日後だ。
どうやら啓太くんとのことをウチの母に
密告したのは武流本人だったらしく。
母からその関係を詳しく聞いたお陰で、
薄っすらボンヤリと思い出したようだ。
>あのね、今日は啓太くんが来るから
>早く帰るんだ!!
>いいでしょ~、これね、啓太くんに
>教えて貰ったの。
まだ自分たちが小学生だった頃、
私が母の職場の後輩に面倒を見て貰って
いると自慢していたことを。
しかし、既にSNS等で私の悪評を
広めていた為、後には引けなくなり。
それでもやっぱり気になって
ウチの母に連絡してみたところ、
私が啓太くんと断絶したと知り。
勇気を出して電話してみたとのことだ。
『悪いのは唯だから』と言われ、
私も素直にそう認めたところ
『仕方ないから許してやる』と。
二股、援助交際、ビッチ。
武流によって損なわれた私のイメージは、
再び武流によって取り戻され。
そして仲直りした私達は
誰が見てもラブラブの2人になる
…はずだったのに。
なんだかもう、色々と無理だった。
男らしさを妙に強調したがる武流は、
常に私の行動を把握したがり。
一日数十件届くメッセージや
用も無いのに掛かってくる電話。
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