春一番

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武流(たける)とは幼馴染だった。 何でも話せて、 どこへ行くのも一緒で、 いつまでもこのままだと思ったのに。 「あのさあ、俺ら、付き合ってみる?」 「え?!ああ…うんっ」 …なぜあの時、そう答えてしまったのか。 幼馴染からカレカノへと ランクアップした結果、 言えないことが増え、 2人でいると揶揄われるようになり、 ギクシャクし始めて。 わずか1カ月で私達は その関係を解消した。 >唯のヤツ、付き合い出した途端 >俺のことを意識しやがってさあ、 >『オンナ』を見せてきやがんの。 >それが気色悪くってな。 放課後の教室で武流がそう言いながら 男友達と大爆笑する姿を見てしまい。 …いま思えば、 照れ隠しだったのかもしれないが。 しかし当時14歳だった私に、 そんな心理が理解出来るはずも無く。
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