俺の世界

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なんでこんな荒廃した世界になったのか、なんて俺にはさっぱり分からないが、聞いた話によると、ずぼらなご先祖様は何でもかんでも機械に頼って頼って、頼り切った結果、機械無しでは生きられなくなって機械に管理されるようになったらしい。 そうしてそれが嫌になったおばかなご先祖様が機械を破壊したらしく、何にも自分でできない人間だけが残った。 何にも自分でできない人間は残った物を活用して生きたらしく、色んな物の取り合いになって人間は減っていったらしい。 「ほんと、ばかなご先祖様のせいで貧乏くじひかされてるよ。」 深い溜め息をついて、腕を組む。 かろうじて残った、言葉というものも、きっとそのうちなくなっていくんだろう。 ご先祖様が使っていた物とかが消えたように。 カサ、と音がしてソファから音を立てずにおりて、荷物を背負う。 とうとうここも、見つかってしまったんだろうか。 耳を澄ましてみれば聞こえる足音。 2人の、足音。 本の中の家族の生活というものが書かれた話を思い出す。 誰かと笑って、安心して暮らすことが約束された世界。 できることならその世界に生まれたかったよ、と思いながらぎゅう、と拾ってきたばかりのナイフを握り締めた。
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