第2章

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第2章

彼が助けてくれたおかげで、店長はおとなしくなった。 ブランドものとかを女性にあげるのは、店長のお約束のようで、 辻さんにもプレゼントしていた。 大人の女性でも、プレゼントは、喜ばれるらしい。 レストランのドアが開き、鈴の音が聞こえた。 お着物を召した少しママさん風の女性。 「いてる?」 竹さんが厨房からでてきて、コーヒーをすかさず頼み、淹れたての飲みものをお持ちして場が和んだ。 「さすが、竹さん。」 「任せとき。」 談笑がすんで、私をみた綺麗な着物の女性は、 「あら、新入りさん?」 「はい。お飲物もう1つお持ちしますか?」 「かまへん少し離れた喫茶店でも行くわ。」 「堪忍やで」 弁護士の方のような、スーツがばっちり似合う方と腕を組んで出ていかれた。 店長の元奥さんらしい。 近々店長は、 イタリアに行くので餞別を渡しに足を運んだようだ。 店長に渡されたプレゼントを奥さまに差し上げた。 これ 「奥さまに。」 「まあ、可愛いセレクト。」 「あなたにあげる」 うちにじゃないわ 「それに好みじゃない。」 貫禄があって、関西弁で、違う形で会えたらもっとお話できたかもしれない。
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