第2章

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さよなら、安藤さんに、触れたかった。あなたに触れたい。 私が望んだ事だった。 仕事を変えて、知り合いのレストランに行ったら、見習いをさせてくれるイタリアンのお店を紹介してもらった。 賄いのパスタをつくらせてもらったり、 野菜をきれいに掃除してカットし、前菜の仕込み、トマトソース、ベシャメル、ブイヨン、リゾットようのバターライスを仕込む。 何も考えずただ作る。 この店では、皆がお兄さんお姉ちゃんが沢山で怖いおじちゃんも、気のいい人達だ。 店長の明美さんは、歌手がだいすきで、毎朝曲を聞いている。 何もできないでいるとグーパンチをお見舞いされる。 山岸さんは、一応私が女の子?という名目で冷蔵庫にパンチをお見舞いされた跡がある。 帰れとつまみ出されそうになって洗い場の所にしがみついて泣いたこともあった。 山岸さんは、怖いけどお茶目な人だ。とてもかわいがってもらった。 カット野菜やポテサラも頼んだものを封をあけてサラダバーに出していた。 一年がたとうとしていた。 誤って手を怪我していた。山岸さんは、何も言わずお金を渡してくれて 医務室につれていってもらいその後タクシーで藤本外科につれていってもらった。 タクシーに乗り込むと雪が降ってきた。あの通りを通ったら、店が見える。 赤い服のコックさんが歩いていた。 涙がつーっと流れた。それを通りすぎ会いたい気持ちがふと出てきたが仕事中だった。 なんはりかぬってもらって、医者の合コンする話を縫われながら延々と話しており、心の中で、このコック服のまま行ったらどうなるかな?驚くよな。とどまった。
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