1.進路なんて...

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自転車置き場の隅には、1本のソメイヨシノが植わっている。 足元には薄いピンクの斑点と、寄せ集められた花びらが小さな山を成している。 葉桜と言うには少し早いかな。 隙間から差し込む陽射しはまだ眩しいくらいだ。 もうカズマの自転車も、姿もない。 もし間に合えば、後ろに乗ってラクすることも出来たのに...。 カズマは3年になってすぐに、何かのアルバイトを始めたらしいけど、 それが何なのか、私には教えてくれない。 私も何かアルバイトしないとダメかな...。 カズマはもう、色々とやりたい事決まってたりするんだろうか...? なんてことをぼんやり考えながら、私はいつもの帰り道を歩いていく。
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