2人が本棚に入れています
本棚に追加
せっかくいい感じで終われそうなのに、キモがられたら辛い。
そんなことを思いながら躊躇していると、
「ゆきー、急げばもう一本行けるから最後にみんなで滑ろうよ!」
「あ、うん! そうだね!」
とっさにそう返事してしまった。
「じゃあ、最後楽しんでくださいね」
そう言って、彼はあっという間に行ってしまった。
初めての冬。
私は不思議な経験をした。
まったく滑れなかった私を、魔法のように滑れるようにしてくれた男の子。
ヒーローのように格好いい男の子。
名前も年もわからない年下の男の子。
とても刺激的な出来ごとだったけど、同時に思い出したくないほどの後悔を残していった男の子。
ーーねえ、君は誰だった?
最初のコメントを投稿しよう!