リフトに乗った君

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 雪に膝をつき、優しく話しかけてくれる。 「ごめんなさい。怖くてできたことないの」  恥ずかしいわ申し訳ないわで、目の奥が熱くなった。  しかし彼は足を片方外して、私のもとに戻ってきた。 「木の葉はできますか?」 「前向きなら。後ろ向きは、まだ怪しいけど」  昨日1日滑れる友人に教えてもらっても、板を縦にして滑れるようにはならなかった。  どうしても転んでしまって、痛いし怖いし立つのは疲れるし、私はふつうに滑るのを諦めていた。  しかし彼は、 「ならもう滑れますよ」  まるで当然のことのように言った。 「とりあえず、あそこまでは板縦で行きましょう。スピードが出そうになったら木の葉でブレーキ。できなかったらお尻から転ければ大丈夫ですから。立つの手伝うので、思いっきり転けてください」  そう言って、彼は片方の足を外したまま板に乗っけて、見本を見せてくれた。  板を縦にして滑り、ちょっとスピードが出たらすぐに木の葉に戻しブレーキ。  彼の後ろについて、私は真似をしながらゆっくりと滑っていった。  彼は何度も止まっては振り返り、わかりやすく教えてくれる。  時には座って雪に絵を描きながら、時にはその場で自分の体を動かしながら。     
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