リフトに乗った君

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 私より細いウエストやお尻を動かす仕草は、とても不謹慎だが、なんだか可愛かった。 「びびって後ろ体重になるとコントロール効かなくなるから、最初はやりすぎってぐらい前体重ですね。前足んとこに嫌いヤツがいると思って、もう思いっきり体重かけちゃってください」  たまに私を笑わせてくれようと冗談も交えながら教えてくれて、いつのまにか私の心から申し訳なさが薄くなっていた。  本当のことを言うと、さっきまでスノーボードをあまり楽しいと思っていなかった。  滑れないし、痛いし、転けるし、雪が入ってきては冷たいし、濡れては気持ち悪いし、転ける度に立ち上がるのはひと苦労だし、笑われるし、滑ってる時間より立ち上がってる時間の方が圧倒的に長かった。  友人たちも私の運動音痴に、私の上達を諦めていたし、正直早く帰りたいと思っていた。 「すごい! 今の完璧です! めっちゃ滑れてます!」  でも彼は、絶対へっぴり腰なのに、ちょっと滑れるとすごくオーバーに誉めてくれた。  私もいい気になって、滑っては転けた。  あんなに転けるのが嫌だったのに、彼は本当に毎回助けてくれて、貶すどころか誉めてくれる。  「今の転け方上手です」「どんどん転けてください」「転けないと上手くならないので」  そんなことを言ってくれる。     
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