は、つ。こ、い

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「だから、私が小野田さんを送りたいと思ってます。このままだと、いつか貴方も悪くなってしまう」 と、やや潤んだ目でじっと僕を見つめて、頬を紅くしながら・・・。 おー やっぱりOKAYじゃん。 家まで送ってくれるなんて。もしかして、もしかして部屋であんなことやこんな事・・・ あれ?悪くなるって? ア!(衝撃?) え? 何?そゆこと! 僕は目の前に彼女がいるってのに情けない事に腰くだけの様にその場に座りこみ項垂れてしまった。 そうか そういう事だったのか。 走馬灯ってこんな感じか。 ここ最近の出来事がパァーと思い浮かべられた。 半年前にここで交通事故にあって、僕は死んでしまったのを思い出した。 勿論クロミドのせいだ。 どおりで、交差点または近くにずっといてた僕が怪しまれて職質される事もなかったわけだ。 項垂れている僕に彼女が優しく抱きついてきた。 こんな女の子がいたなんて もっと早く出会いたかったなぁ。 そう思っていた僕の周りを暖かなオレンジの光が包んでいった。 彼女の右手から発せられた光だった。 あれ?クロミドの時は白銀の眩しい光だったけど違うんだなぁ。何だか暖かい。 と呑気な事を考えていた僕。彼女はそんな僕に 「小野田さんにもっと早く会いたかった。ごめんなさい。どうか安らかに」 と、また涙を流し声をかけてくれた。 くそー こんな女の子がいたなんて もっと早く出会いたかった。 あぁ暖かいなぁ気持ちよくて眠ってしまいそうだ。 いや違うか、僕は今から昇天するんだなぁ。 「安田清子さん。ありがとう。」 そして 「好きだ!」 って言えた時に 昇天してるような気がした。 今からどうなるんかなぁ。 神様仏様に会うのかなあ。 願わくば、また彼女に逢いたいなぁ・・・ 了
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