第六話 封印 後編

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「何かあるんだな?」 「あるにはある。でも、それには条件が必要だ」 「何だその条件て」 「お前、人を殺せるか?」  ──ヒトヲコロセルカ? 「何だって?」 「詳しくは言えない。言えば絶対君は躊躇する。拒否するかも知れない。でも、その覚悟がないと『アレ』は止められない。リアンも助からないし、他の神の介入を許す事になる。そうなれば、この大陸は神々の時代に逆戻りする」 「そんな……」 「その条件──いや覚悟があるのなら、今回だけ手を貸す。こいつ(ギニアス)の迷惑料だ」  そう言って、ラーズは気絶したままのギニアスを小突いた。ギニアスは起きなかった。 「……」  ラーズは、ギニアスを見た。一向に起きる気配はなかった。 「とにかくこいつ(ギニアス)が色々事を大きくして」  ゴン。 「この辺一帯の地力がそれに使われて」  ゴン。 「この有様だ。どうしてくれよう」  バキ。ギニアスは起きなかった。 「……死んでんじゃないのか?」 「大丈夫。僕に殺されるなら本望だろうし、そん時ゃそん時だ。それより覚悟は出来たか?」 「ぐ……」 「言っておくけど、時間はないよ?」     
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