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「何かあるんだな?」
「あるにはある。でも、それには条件が必要だ」
「何だその条件て」
「お前、人を殺せるか?」
──ヒトヲコロセルカ?
「何だって?」
「詳しくは言えない。言えば絶対君は躊躇する。拒否するかも知れない。でも、その覚悟がないと『アレ』は止められない。リアンも助からないし、他の神の介入を許す事になる。そうなれば、この大陸は神々の時代に逆戻りする」
「そんな……」
「その条件──いや覚悟があるのなら、今回だけ手を貸す。こいつの迷惑料だ」
そう言って、ラーズは気絶したままのギニアスを小突いた。ギニアスは起きなかった。
「……」
ラーズは、ギニアスを見た。一向に起きる気配はなかった。
「とにかくこいつが色々事を大きくして」
ゴン。
「この辺一帯の地力がそれに使われて」
ゴン。
「この有様だ。どうしてくれよう」
バキ。ギニアスは起きなかった。
「……死んでんじゃないのか?」
「大丈夫。僕に殺されるなら本望だろうし、そん時ゃそん時だ。それより覚悟は出来たか?」
「ぐ……」
「言っておくけど、時間はないよ?」
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