第六話 封印 後編

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 ゴーレムのスピード、判断力が、先ほどとは桁違いだ。ゴーレムの本来の機能が解放されたと考えていい。原因(きっかけ)は分からない。リアンとの戦闘の衝撃か、自己修復を発動させた時か。 「素手じゃ分が悪いな」  リアンは纏っていたマントを外し、ばさっと振るった。それは一瞬で長剣に変化した。 「出来れば刻みたくなかったんだけどな」  リアンは長剣を構え、ゴーレムを睨み付けた。 3 「おいこら、ラーズ、何だよあの動きは!」 「僕だって知らないよ。実際にゴーレムと闘った神様は眠ったままだし、創った連中ももういないし。ただ言えるとすれば」 「すれば?」 「完全覚醒した、としか」 「完全覚醒?」 「あのスピードと再生能力。周囲から『力』を吸い上げているのか、蓄積していた『力』を使ったのかは分からないけどね」  ラーズは厳しい表情でゴーレムを見据えていた。 「どちらにしても、リアンの『力』がどこまでもつかだな」 「『力』って、この辺の大地の力か?」  キリアはそう言って辺りを見渡した。木々も草木の姿を消し、もはや大地に生命の息吹を感じない。 「……もしかして、もうないんじゃないのか?」 「ああ。数百年かけて溜め込んだ地力が底を尽いた。後はリアン自体がどれだけ溜め込んでいるかだ」 「リアンが?」 「耳に水晶石があるだろう?」  キリアがリアンに目を向けた。両耳のピアスに小さな水晶石がぶら下がっていた。     
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