第六話 封印 後編

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「え? ああ、あれの事か?」 「ああそうさ。あれが今のリアンの全てだ。あれが尽きればもう手がない」 「そんな……」  キリアはリアンを凝視した。  リアンの耳の水晶が、淡い燐光を放っていた。 「あれっぽっちで何が出来るんだよ」 「まぁ片耳だけで、数十年分の『力』は溜め込んであるは思うけど……心許ないな」 「どれくらい持ちそうだ?」 「そうだなぁ」  そう言ってラーズは腕を組んだ。 「後一撃か、でも剣を出したからもうちょっといくかな」 「曖昧だなー」 「仕方ないだろう? ここから見てるだけなんだから」  そう言っている間にゴーレムの一撃がリアンを見舞った。リアンは長剣でそれを受け流す。お互いの防御結界がぶつかり火花を散らす。リアンの右耳の水晶の光がふっと消えた。  それを見たラーズが一言。 「前言撤回。本当に後一撃食らったらもう手がない」 「えええ? 何とかなんないのかよ」 「僕にはどうにも出来ないよ。僕が使える『力』はここにはない」  ここは大陸の真ん中だ。島々の神々(シーナリアーナ)のラーズが借りる事が出来る『力』はここにはない。 「なら……俺に出来る事はないのか?」 「お前にか……」  ラーズは黙り込んだ。しかし「ない」と即答しない。     
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