第二話 リアンと王様と魔導師再び

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「でもギニアスは別ルートから情報を得て、この国にいる唯一の魔女、リアンの存在を知った。これは隠せなかった。だから正直に言ったよ。この国には少々偏屈な魔女がいるってね」 「……偏屈は余計だ」  そう言うリアンの言葉にはもはや力がなかった。 「それに消えた『山』には色々噂があってね。どことなく人間の形をしている巨大な岩山。どんな噂か知ってる?」 「……知らない」 「そうだろうね」  リアンが半眼になった。 「ルーデシアス?」 「おっと、別にリアンをバカにしているんじゃないんだよ。知らなくて当然だし、リアンもまさか、その『山』に変な噂が立っているなんて気にしてなかっただろう?」 「まぁ、そうだけど……で、その噂って?」 「うん? ああ、形と年代から、貴重だと主張する連中がいてね」 「へぇ?」 「へぇ? まぁ神様御自らすれば、気にもならない些細な発想なんですけどね」 「何か、嫌味に聞こえるのは気のせい?」  ルーデシアスはリアンの苦言を無視した。 「発想──と言うより、人間の文化ってヤツかな。人間は神を本能的に畏れる。いくら暢気な大地の末裔(ランダリア・ルース)でもそう言う輩はいる。で、『神の山(・・・)』として、文化遺産の登録に向けた運動が起きててね。それが一晩で消えてなくなった」 「……は?」     
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