第二話 リアンと王様と魔導師再び

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 リアンは開いた口が塞がらない。ゴーレムが封じてあった場所は、そもそも人間が簡単に入り込める場所ではない。その上破壊の象徴たるゴーレムを、文化的な象徴として遺産にしようなどとする人間が現れるんて、考えもしなかった。 「人間はね、どんどん変わっていくんだよ」 「悪かったわね。神様は進歩がなくて」  リアンがぶすけた顔でぶすけた声を出した。 「さて、話を戻そうか」  ルーデシアスは口元を歪め頭を掻いた。この無邪気な神様のご機嫌を取るのは難しいようだ。 「文化遺産の団体の動きと、ギニアスの動きが一致しているんだ」 「一致?」 「そう。先月、まだ『山』が消える前。遺産登録の申請書類が僕の所に来た。何のこっちゃと思って放っておいたら、翌日にギニアスが来たんだ。宮廷付きの魔導師として雇ってくれってね」 「……って事は『山』の噂、ゴーレムの情報を知っていたって事?」 「まぁ、そうだろうねぇ」 「あんた何を暢気に」 「正確な情報は僕の頭の中だけど、伝承はね。どこに行っても残ってる。今思えば、それが目的だったのかも知れないね」 「……あんたはそれを黙って受けれたわけね。私に黙って」 「神はかつての争いのため人から見放された──忘れてはいないよね」 「それは……」     
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