第二話 リアンと王様と魔導師再び

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「ああ、勘違いしないで。僕は何もリアンを責めているんじゃないんだ。ただ、人間の営み──今回の場合は、宮廷付きの魔導師の選定だけどね。まさか島々の末裔(シーナリア・ルース)とは思わなかったが、それを元・神様に報告する義務はないって事だ」 「……干渉はしない。約束だからね」 「そう言う事」 「でもね、ルーデシアス。アレは危険なの。定期的に点検(メンテナンス)しないと、暴走の恐れがあるの」 「え? それは初耳だ」  ルーデシアス急に真顔になり、リアンに向き直った。今度はリアンが顔を背ける番だった。 「こっちの都合だからね」 「それならそれで、なんで事前に僕に相談しない? そうすれば『秘密裏』に出来ただろうに」 「……悪かったわ」  ルーデシアスは天を仰いだ。 「済んだ事は仕方がない。とにかくギニアスを呼ぶ。話を聞かないと」 「そうね」 「その前に」 「何?」 「その手、離してくれないかな」  リアンはルーデシアスの胸ぐらを掴んだままだった。 「おっと、これは失礼──陛下」 「うむ。無礼は許そう。そなたと私の仲だ」 「恐れ入ります。ってさっさと呼びなさいよ」 「はいはい」  ルーデシアスは呼び鈴を鳴らした。程なくギニアスが姿を現した。 「陛下にはご機嫌麗しゅう」  ギニアスはルーデシアスに一礼すると、リアンに目を向けた。が、その目はリアンに焦点を結んでいなかった。 「来客ですかな? それでは私はお邪魔ではございませんか?」 「いや……来客って、先日会っているだろう?」     
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