第二話 リアンと王様と魔導師再び

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 ルーデシアスが問うが、答えは返ってこなかった。リアンは「もしかして」とつぶやき、ギニアスに質問を投げかけた。 「あんた、誰?」 「ギニアスと申します」 「私は誰?」 「存じ上げません」 「ふぅん……」  リアンはちょっと考えて、小声で「ラーズの大馬鹿野郎」と呟いた。 「何か申されましたか?」 「ルーデシアス」 「うん?」 「やられた」 「うん?」  リアンは右手をさっと横に薙いだ。途端、ギニアスは掻き消えた。 「!」  ルーデシアスは、玉座から立ち上がった。 「幻影ね。ただでさえ紙切れみたいな結界が弱まってるなぁと思ったら……」 「ギニアスはリアンの家か」 「一応手は打っておいたけど、ギニアス本人をあの村長が相手できるかな……」 「僕に出来る事は?」 「一個師団。すぐ庭園に並べて待機」 「分かった──衛兵!」  即座に分隊長が参集し、師団長に命令が伝達される。 「じゃ、私は先に行ってる」 「ああ、分かった」  リアンは指を鳴らし、爆音と共に掻き消えた。 8  キリアは、やっとの思いでリアンの家に辿り着いた。が、そこにはワケの分からない連中がいた。見える範囲で四〇名ほど。全員が黒塗りの短剣を帯刀していた。とりわけ、漆黒のローブを纏い、くくくと嗤っている男が不気味だった。 「何だコイツら?」     
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