第二話 リアンと王様と魔導師再び

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 こんな時、手入れされていない庭は便利だ。キリアは物音一つ立てず、生い茂った草木に身を隠し家に近づいた。近づくにつれ、ワケの分からない連中の声が聞こえて来た。 「本当にここにあるのか」 「ギニアス様が仰っているのだ。間違いあるまい」 「しかし、こんな小汚い家のどこに『ゴーレム』がある? そんなに小さいのか?」  ──『ゴーレム』!  この連中は『アレ』が『ゴーレム』である事を知っている。だが『ゴーレム』がどこにあるのか、まだ分かっていない。  ──こりゃ早いトコ、リアンと合流しないとなぁ。  だが肝心のリアンが見当たらない。そもそもリアンがこんな怪しい連中を放っておく筈はない。  ──と。  見覚えのある顔がいた。 「そ、村長?」  村長は、揉み手をしつつ漆黒のローブの男──ギニアスに近づいた。 「ギニアスさん、これで約束は果たしましたよ。後は──」 「分かっている。修繕費はチャラだ。ご苦労だった」  ──修繕費?  キリアは首を傾げた。またリアンが何か壊したんだろうか? 「案内、ご苦労だった。後は──」 「はいはい」 「消えて貰う」 「は?」  ギニアスの右手に光の刃が出現した。  ──ヤバ!  キリアは咄嗟に短剣を投げつけた。短剣は見事にギニアスの右手を外し、村長の太腿に深々と突き刺さった。 「ぎゃあああああ!」  もんどり打つ村長。そして数刻経たず気を失った。 「誰だ!」     
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