第三話 覚醒と暴走と

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「リアン、お前さんはこの村を守る義務がある。違うかね?」 「……いきなり何を言い出すのよ?」  村長は一旦リアンを無視した。 「キリア。一応礼を言わせて貰う。あのままではわしは死んでおった」  村長はリアンに向き直った。 「リアンもだ。リアンの治癒術がなかったら、わしの足が片方なくなるところだった」  村長は、黙り込んでしまった二人を見、頭を下げた。 「二人とも、ありがとう」  一瞬の沈黙があった。  ──ここだ!  村長の目が鋭く光った。 「だがな。巻き込まれたのがわしだったからよいものの、もし他の村人に危害が及ぶようならタダではおかん。それだけは肝に銘じておいて欲しい」 「……」  この言葉に二人は意気消沈。すっかりしょげてしまった。効果てきめんだった。 「ところで、リアン」 「……はい」 「『アレ』とは何だね? 一応わしはリアンの言いつけ通りに動いたのだが」 「ああ、その事。実はね」 「リアン、それ言っちゃっていいの?」  キリアが口を挟んだ。 「だって仕方ないじゃない。村長は被害者なのよ、あんたの」 「や! あ、あれは不可抗力と言うか何と言うか……」 「当たりもしないナイフ投げなんかするからよ」 「だって、あの時はああでもしないと」     
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