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序
はるか昔。
人々と共に神がいた時代。
大地に、海に、空にそれぞれ神がいた。
神々は覇権を巡って争い、果て、また争った。
結果。
大陸はその形を大きく崩し、島々はさらに細かく砕け、空は暗雲に覆われた。
人々は願った。
──神など要らぬ。平和を、大地を、家族を返せと。
かくして神は去り、幾年もの刻が過ぎ去った。
人々は起伏の激しい大地と潮風にさらされた島々に根付き、家を建て、国家を築いた。
そして時は流れ、人の時代が世界を席巻し、かつての営みを取り戻しつつあった。
神々が捨てた争いと共に。
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