寒さが吹っ飛ぶ数分前

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白がふわふわと舞う、どこを見ても真っ白な景色の中、人はサクサクキュッキュッと音を立てながら歩いている。 路面は凍っているのだろうか、滑ってコケている人も中にはいる。 息を吐くと真っ白い息になる。 ある青年は何食わぬ顔で慣れているかのようにサクサク歩いている。 向かっている先は図書館のようだ。 「はぁ。 手袋して来たら良かったなぁ。 手が凍る…。」 青年はポツリと呟いた。 手を紺色のコートのポケットに突っ込むと図書館の中まで歩きだす。
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