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「りぃちゃん、桜キレイだね。」
「うん、すごくキレイ。」
同じ桜を見上げて、一哉と同じことを感じた。
そんな何気ないことで私の心はさらに暖かくなって、最近こうやって一哉が隣にいてくれる幸せを感じることなく、不幸ばかりを数えていたなと反省した。
一哉はずっと優しい。いつでも私を全力で愛してくれる。こんな私のことを、いてくれるだけで幸せだと言ってくれる。そう言ってくれる人と一生一緒にいられるのだ。
人は悲しいことや苦しいことには目がいきやすいけど、たのしいことや幸せなことはすぐ忘れてしまう。末美が言ったみたいに、何かに悩んだときに思い出せるように”幸せメモ”を用意してみようかなと思った。
「小林さん、晴れ間が見えてきましたよ。」
「ほんとだ。一日中雨ってゆってたのに奇跡ですね。」
まさかなと半信半疑で空を見上げると、重い雨雲の向こうに少し青い空が見えた。
撮影舞台は急いで外で撮影をする準備をして、私もすぐに外に出るよう誘導された。いつもは何気なく見ている青空がとてもありがたくみえるのも雨が降ったおかげだなと、ありきたりだけどそんなことを考えた。
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