それはとても甘い雲でした

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私は空を眺めている。 空にはいくつもの雲がゆっくりと流れ過ぎ去ってゆく。 様々な形の雲を見ていろんなものを連想しているところだ。 鳥の形や美味しそうな食べ物の形まで連想することがあった。 今日は私だけではなく私の兄と一緒に空を眺めている最中だ。 「ねぇお兄ちゃん、雲って美味しいのかな?」 私の言葉を聞き兄は呆れたようにため息をついた。 「美味しい以前にあんなところに手が届くと思うか?中学生になってまでそんなガキみたいなこと言いやがって、お前って本当アホだな」と兄が云った。 「えへへ....、昔のこと思い出しちゃってつい....」 この後から数秒、兄は私を眺めていた。 「ど、どうしたの?そんなに私を見て。恥ずかしいな」 「明日の夏祭り一緒に行こう。そこで雲を食わせてやる」 私は驚いた。 「え!?でも雲は食べられないって今言ったでしょ?」 「それは明日のお楽しみだ。ほら、今日も遅いし帰るぞ」 それから私と兄は一直線に自宅へと帰宅し、食事を済ませ自分たちの布団へ行き眠りに就いた。 朝目を覚ますと花火が二発盛大な音を立て響き渡った。 「夏祭り!」 迅速に着替えを済ませ、兄の部屋に飛び込みまだ寝ているであろう兄の布団めがけて飛びついた。 「お兄ちゃん!夏祭り早く行こう!」 「俺は朝弱いんだ....。昼から....」 「もー!」 私は兄が大切にしている一冊の漫画を手に取った。 「今すぐ起きないとこの本台所のコンロで燃やしちゃおうかなー?」 その途端、凄まじい勢いで兄が起きた。 「それだけはやめろ!その漫画はとても大切なものなんだよ!お前なんかよりもな....。ふんっ!」 兄は私から漫画を奪った。 「ちょ、最後の酷くない!?」 この茶番劇は日常茶飯事のことなのでさておき。 この後、私と兄は朝食を食べた。 朝食のメニューは食パンとサラダ、ヨーグルトと牛乳だった。 誰も朝食に合うものばかり。 「ほら、行くぞ」 「うん!」 家のドアを閉め祭り会場へ出発した。
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