0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
ラストは唐突に隕石
硝煙。銃口から漏れ出る白い煙は上空へと消えていく。それはまるで人魂のようだった。
「やってやった……。やってやったぞ! ざまぁみろっ!」
その惨劇は数秒前に起き、まだ銃声の残響が聞こえるような感覚さえもある。
「呪ってやるだのなんだの言ってた割には、ずいぶんとあっけなかったな。所詮は負け犬なんだよ!」
男はそう悪態をついて、頭から血を流して床に倒れた男に蹴りを入れた。びくともしなかった。
「ははっ。人を呪わば穴二つとも言うが、墓穴を掘ってやれば、ふふっ、……傑作だなぁ!」
見下した目でぐりぐりと床に倒れた身体を踏みつけては、聞こえるはずもない悪態をしつこく言い聞かせている。
しかし、次の瞬間、空が一瞬だけ真昼のように明るくなると、轟音とともに床に大きな穴が空いた。
男がその穴を見ると、真っ赤に染まったこぶし大の石が埋まっていた。
「ごふっ……」
男の口から鮮血が吹き出す。
男は自分の胸に目をやると、そこに大きな風穴が空いていた。
最初のコメントを投稿しよう!