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ダンジョン上空
南外哨拠点に対するスケルトン部隊の襲撃と西外哨拠点に対する装甲火蜥蜴部隊、別動隊乙の襲撃、連続した2つの攻撃に対する残党狩部隊本隊の反応は使い魔達によってリアルタイムで把握されており、アイリスは使い魔から送られた画像や地図でその様子を確認しながら口を開いた。
「……この連中、結構緩んでるのね、対応が遅すぎるわ」
アイリスはそう呟きながら地図に表示される彼我の状況を確認した後に新たな指示を告げる。
「別動隊乙については態勢を陽動攻撃から本格攻撃に移行させるわ、可及的速やかに目標拠点を覆滅した後に速やかに拠点に向けて前進を開始、伏撃態勢を整えている別動隊甲よりジャイアントマンティス隊を分離して別動隊丙を編成して別動隊乙の支援に向かわせるわ、北及び東外哨拠点に対する魔狼部隊の攻撃については予定を変更、半数を北及び東外哨拠点から陣営への経路周辺に散開埋伏させ、残る半数を別動隊乙及び丙への支援に回すわ、西外哨拠点を早期に覆滅して西への増援を強要させ、派遣されて来た増援を別動隊丙と魔狼部隊の支援を受けつつ叩かせるわ」
……了解した、別動隊乙の攻撃を陽動攻撃から本格攻撃に移行させる、あの程度の拠点ならば他愛も無く粉砕出来る……
「南外哨拠点を攻撃中のスケルトン部隊についてはこのまま陽動攻撃に徹するのか?」
アイリスとフォレストドラゴンの会話を聞いていたミリアリアは自分の身体を包むアイリスの腕と柔らかな肢体の感触から意識を逸らしながら問いかけ、それを受けたアイリスはゆっくりと頷いた後に言葉を続ける。
「スケルトン部隊にはじっくりと攻撃させるわ、戦力はこちらの方が圧倒的に優勢だからじっくり攻めてもそんなに時間はかからないし、南外哨拠点は陣営とヴァイスブルクを結ぶ連絡線上に存在しているから残党狩部隊の連中は嫌でも増援を出さざるを得ないわ、そうして連中が南と西に派遣した増援部隊を一気に叩き、その混乱に乗じる形であたし達が空から一気に陣営を強襲するわ」
アイリスがミリアリアの言葉に応じていると地図に表示されている陣営から漸く増援部隊を意味する矢印が西と南の外哨拠点に向けて伸び始め、それに気付いたアイリスは蔑みの目で増援部隊の矢印を見据えながら口を開いた。
「……漸く増援部隊の御出座しかしら、でも、遅過ぎたみたいね」
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