けれどお城に戻ったら二人は元通り、王子様とただの女の子です。

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 慌てて目をそらすと「ぷはっ」と笑われた。 「聞きたいか?」 「は? やっ、そんなっ、誰が入院してるかとか、どんな病気かなんて、全然っ」 「はっ! 顔に出すぎだ。バカ」 「──っ」 「まぁ、お前が心配するようなことにはなってねぇ、安心しろ」 「……」 「だから働け」  マネージャーがそう言うなら、きっと大丈夫なんだろ。  その言葉にホッとした。ホッとしたんどけど……。  一体、どんな彼女なんだろう? と変な好奇心みたいなものが、未だに私の心の中にあったりする。 「寧々のこと、言えないなぁ」 「ん? なにが?」  そう言いながらスープを啜る寧々に、「なんでもない」と、私もスープを口にした。
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