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こんなにも美しい人が、この世に存在するなんて、思いもしなかった。
もしかしたら、等身大のお人形かもしれない。なんて、考えまで浮かんでくるくらい、窓辺に座る人は綺麗だった。
私の足音に反応して、髪が揺れる。
『……誰?』
気怠そうに発せられる声に、その人が男の人だと分かった。
中性的な顔立ちに、夕日を浴びた長い髪は紅く煌めいてる。
『誰なの……?』
「……あ、えと」
私は、たっぷり30秒は見惚れていただろう。これが夢なら覚めないで欲しくて、自分の声を発するのも躊躇われた。
これは私がまだ小学5年生のときのこと。彼は高校生だったけど、小学生の私からは凄く大人に見えた。
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