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手ぶらで帰る可能性が高まってがっくりとしていると、スーツの男が右側の店を指差して「アノ店、優良店ネ。どんなプレイもOKよ。」と言った。
いわれた通りその店で客引きをしていた美しい女性に声をかけると店の中に引っ張られた。
他の店の客引きはもっと露出の激しい女や老女や男ばかりでこの人はとても目立っていた。
プレイといっても、正直こんな場所では感染症にしろなんにしろ怖すぎるのでただ時間を潰させてもらえないか聞こうとしたところで、女は俺の顔をマジマジと見た後言った。
「お客さん、何でキョンシー使いと一緒にいたの?」
恐る恐ると言った風に俺に聞いてきた女性に思わず「キョンシー?」と聞き返してしまった。
古い映画にそんな怪物を題材にしたものがあった気がするし、ゲームでも時々見る。
「一緒にいた大男キョンシーだったでしょ?」
「クマの男が?」
どうにも話がかみ合わない。美しく肌つやもよく見える女性だがクスリでもやっているのだろうか。
ますます、こんなところでどうこうする気もおきなくなって、数時間話し相手になってくれる娘をお願いする事にした。
主に、ここの事を聞きたいと言うと「悪いけど、そりゃ相当の馬鹿じゃなければ務まらないわ。」女性は言うと薄暗い壁に張り出された写真の中から、手の甲で一人の女性の写真を軽くこつんと叩いた。
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