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「あ、あのー…?」
「あ、嗚呼、ごめんごめん。」
すっかり自分の世界に入り込み自分の欲をさらけ出すようなことを考えていたら完全に現実逃避してしまい、名前の知らない意中の相手に変な表情をさせてしまった。
「はい。」
「有難うございます。あと、左のつま先のところに……、」
「あ、嗚呼、有難う。」
左足を引き自分で取ろうとしたら相手の華奢な手も見えたと同時に、
「あ、あぁー!」
「おっと、大丈夫?」
見てはいなかったのだが恐らくバランスを崩したのだろう、小銭を握っていたからだと思うが俺の方に倒れに来て肩に頭を置くような形になった。
それと同時にさっき感じたよりも強いいやらしくない花の香りがした、どこの香水だろうか?
「ご、…ごめんなさいっ!!」
バッと勢いよく離れ、顔を見るともう泣きそうなぐらい真っ赤な顔で誤り頭が取れるんじゃないか?っと思ってしまうぐらい勢いよく頭を下げた。
そんなに勢いよく謝らなくても、そう思い先に立ち手を出して、
「大丈夫だから、立てる?」
だなんてスカシたようなことを言った。
「なにからなにまですいま…せ……、」
「ん?」
何故か変なところで言葉が止まり固まってしまった彼女に疑問を感じた。
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