現代版シンデレラプリンス

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「今夜一緒に食事をしてください。仕事が終わったら一階のフロアで待ってます、お願いします。」 「え…?」 「それでチャラにします、お金はいらないです。」 そこまで言うと横を通り階段を上った。そこで「あ、小銭。」と思い出したが、まぁ仕事終わりにフロアに来てもらう口実が出来たということでいっかと思い上には……トイレに行くことにするか。 そう思いながら固くなくそこそこ雰囲気のいい飲食店はどっかないかと思い出すことにした。 現代版シンデレラプリンス デスクに戻るとあまりにも俺が戻ってくるのが遅くて謎の生存確認をされ、「頭痛がしたので空気吸いに行ってました。」と言い何とかなった。 もう昼休憩になっておりスマホをいじりながら癖でスーツのボタンを外したらキスマークを見えてすぐにまた閉めて笑ってしまった。 30目前にしてこんな気持ちになると思っていなかったし一目惚れをするとは思ってもみなかった。 今ならシンデレラに出てくる王子の気持ちが分かる。 シンデレラの下りを思い出し余計に笑った。 現代版のシンデレラはガラスの靴ではなくキスマークを残すのだと、思った。 【完】
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