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第2章 豆本カップラーメン
翌日の昼休み、鈴子はカップラーメンを食べるべくルンルンと社食に向かっていた。すると、
「鈴子先生」
今日太郎先生に呼び止められた。なんと今日はカップラーメン柄のスーツを着ている。ほんとに一体どこで調達しているのかしら。鈴子の方に向かって歩いてくる。
「あの、よかったらこれ、買いません?」
今日太郎先生はカップラーメンを差し出した。
「300円で!」
「ええ?300円って、自販機より高いじゃありませんか!」
自販機のカップラーメンは160円だ。
今日太郎先生は得意気に笑って続けた。
「当然、付加価値が付きます。これです。」
小さな本がカップラーメンの上に置かれた。
「これは?」
「鈴子先生がカップラーメンを待つ時に読む本です。3分で読めるようにしてあります。僕が書きました。」
「な、なるほど」
3分で読める本か、今日太郎先生は国語の講師だし、なんだか面白そう。
「しかも今日は初回なので特別に、200円でいいです」
あら、それなら自販機よりちょっと高いけどキリがいいからお釣りが出なくていいかも。
「じゃあ、買います。」
「毎度あり」
200円受け取った今日太郎先生は、早足で仕事場に戻っていった。今日太郎先生は午後すぐに授業があるから忙しいようだ。
「さてさて・・・」
鈴子は社食に入り、ポットでお湯を沸かしカップラーメンに注ぐと、いつもの場所に座った。
「3分で読めるって言ってたけど、一応タイマーセットしておこうっと。」
スマホでタイマーをセットしたあと、改めてカップラーメンのおまけの小さな本を見た。
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