押しに弱いゆづき君

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あとその隣で「うげっ…まじかよ…」というゆづき君の声が聞こえた気がする。 橘さんは何かをてきぱきとこなし委員長に何かが入った紙袋を二つほど手渡し廊下に出した。 え、『何か』ばっかりでわからない?? ノンノン~~♪。俺もわからない! ピシャッ。扉が閉まると静けさがあたりを満たした。沈黙とまではいかないも橘さんが呼吸をふぅーとゆっくり吐き、これから何かが始まる!というような空気になったからだ。 そして息をのんだ橘さんがくるりと廊下の扉から振り向いた。 「ゆづき君!女装してください!!」 「嫌だ」 「……。」 「……。」 うん。そりゃそうだ。けど…なんなんだろう。この裏切られた感。まるで勇者が魔王の前に現れたかと思うと魔王の話が長くて話の途中に毒で死んでしまうみたいな…。赤ゲージで魔王戦来んなよ…みたいな…。 「お願いです!!ゆづき君の力が必要なんです!ゆづき君じゃなきゃダメなんです!」 「俺じゃなきゃだめ……。ったく…しょうがねぇな。やるよ。」 ねぇ、これさっき『細かいことはゆづき君に聞いてください』とか言ってたしゆづき君すでに了承してるんじゃないの?茶番劇なの?おこだよ? 「ありがとうございます!そう言ってくれると思ってました!!」     
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