リンと鳴る鈴

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 初めて発した声は線が細く、これが女の子だったなら綺麗な声だと嬉しく思っただろうが、僕はちょっと残念に思えた。  全てが初めてで全て知りたくて、広げたり眺めたりしながら時間をかけて着替えるのをおじさんは黙って待っている。 「失礼します」  おじさんとは違った、紳士が歌うような声に「初めまして」と返す。さっきよりずっと上手に声が出た。 「どうも。私はエウルと申します。まぁ、この丘の名前そのままなのですけれどね」 「初めまして。僕は人間です」 「あぁ。人間という風に括るのなら、私は精霊ですね」 「精霊……」 「はい。人間が言うには、私どもは二人とも精霊のドワーフという種族ですね」  畑のおじさんもドワーフという事は、ドワーフとは少し背の小さな気の良いおじさんの事かもしれない。  畑のおじさんが言う。 「お前さん、もう十六年も蕾だったで心配したぞ! 色の濃いのは早く産まれるはずなんだがなぁ」     
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