第三章

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第三章

来客が帰った後、蛇神様はまたあたしの部屋でダラダラしてる。とても強力な神にも護衛にも見えない姿だ。  しかし、こんなだらけててもイケメンはかっこ悪く見えないんだから得だね。  ……怠けてるように見えて、影ではちゃんとやってるんだよなぁ。「おのれ八岐大蛇の息子。八岐大蛇に昔受けた仕打ちの恨みだ」って襲ってくる奴、捕まえて妖狐警察に引き渡してるの知ってる。こっそりやってるつもりみたいだけど、知ってるからね。  護衛としては確かに最適な神材(人材)だ。  ……今さらながら、とんでもない神様の嫁になる宣言しちゃったかなー。とまた後悔。  何かを察したのか、コタツに潜り込んでた九郎が頭を上げ、にっこり笑った。 「心配いらないぞ、東子。何があってもお前は俺が守る。―――ところで寒いから、あっためてくれると」 「いい加減にせんか!」  大回りしてさりげなく背後から忍び寄ってきた大蛇の頭と尻尾を、あたしは素手で叩き落としておいた。
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