そんなところに惹かれたんですけどね

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最後の授業も、時間通りに先生は教室に来た。 髪には寝癖。 白衣の下には手術室のクリニックユニフォーム。 これを見るのも、今日で最後だ。 急に訪れた最後。 頭はまだ、いまいち受け入れきれてない。 目の前にいる先生は、どこか非現実的で。 まるで、夢の中で見る景色のようだった。 最後の授業は、テスト。 どの授業でも一緒。 いつもは90分の授業だけど、テストは60分。いつもより30分早く終わるから、みんな喜んでた。 でも、先生といる時間が30分短い。 私は少し切なく感じる。 テストは、簡単だった。 せめて先生に悪い印象を与えたくなくて、今までの何のテストよりも、勉強に力を入れた。 それに加えて、テストは過去問とほぼ同じ内容だった。 たぶん、テスト勉強なんて改まってやらなくても、過去問さえ目を通しておけば充分合格圏内だ。 私は1.2問以外全部自信を持って解答できた。 全て終わっても、時間はあとた20分余っていた。 私は、パソコンをカタカタといじっている先生の方を見る。 それと同時に、ホワイトボードの文字に目が入る。 『もし授業の感想・意見があったら、解答用紙の裏面に書いてください。』 決して上手くはないけれど、なんとなく先生っぽいなと思ってしまう字。 初めて見た先生の字。 少し小さめに、控えめに書かれたところが、先生っぽいなと余計に強く思わせる。
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