頸筋に黶ありき

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 ベッドの上で、その女も俺を運命の人だと言わんばかりに受け入れた。  たどたどしく不器用な愛撫は、互いにその行為に不慣れなことを意味する。  だが、触れるもの全てに体が吸い付くように反応し、互いに惹き合った。  それは体の相性だけの問題ではなく、まるで体の奥底で深く繋がっているようだった。  体を重ねる度に、血がたぎるように燃え上がる。  夢中で肌を貪る最中に、ふと気が付いた。  その女の頸筋(くびすじ)に、一つの(ほくろ)があったことに。
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