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「じゃ、まったねぇ~」
梶野はコミカルな動きで手を振るとゴーグルを外した。
コメント数を見ると、今日のネタは上々の受けのようだ。
「いっひ、飯買ってコメントチェックするかぁ」
スーパーは地区ごとに3つのエリアに分かれていた。
さらに細かく時間が区切られており、密を避ける工夫がされていた。
「えーっと、11時、C地区か」
梶野は防護服を着こむと部屋を後にした。
ー*-
「お願いしまーす」
梶野が食事を買い店を出るとチラシを配る人間がいた。
(このご時世、メールでもなくVRででもなくリアルのチラシ、反対勢力か)
反対勢力とは、強引にVR化を進めた政府に反対する団体だ。
「会議は顔を合わせ、リアルでの熱量を戦わせてこそ通じる」
「満員電車に揺られてこそ一人前のサラリーマンだ」
「在宅勤務だと?そんなことにしたらさぼるに決まっているだろう」
「残業はやらないつもりなのか?」
「外出は防護服が必要ではあるが、建物内ではぬげるのだからVRに逃げる必要もないだろう」
というのが主流の意見だった。
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