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本業の方も急ぎの仕事が終わっており、副業の動画配信もうまく行って気分がよかったので、梶野はチラシを貰うことにした。配っている女の子がかわいかったこともあるし、時間もできたのでからかってやろうという気持ちだった。
「ありがとうございます、私たちの活動に興味を持っていただけるのでしたら、あちらで簡単なご説明をさせていただきます」
「あ、じゃあ」
梶野はコンビニで温めたカツ丼を気にしながらそう言った。
ー*-
反対勢力の事務所は選挙事務所のようないでたちだった。入り口をくぐるとパン工場のようなエアダクトの洗礼を受けた。
「基本、他の方々の建造物と同じ設備ですが、エアー量は通常の1.5倍になっております」
防護服でエアー、服を脱いだ後再度エアー。
「梶野さま、どうぞこちらへ」
反対威力の女性が椅子をすすめてくれた。梶野はエアーで乱れた髪を整えながら席に着いた。
梶野はフロアを見渡した。いくつかブースがわかれており、各々机が置かれ、両端に椅子が置かれていた。
梶野の対面に反対勢力の女性が座った。
「改めまして梶野様。私、国が推奨している”人類VR化計画”の推進反対勢力の一員であります、岬と申します」
「あ、どうもよろしく」
(こんな、”逃げちゃだめだ”っていいたくなるような名前だったんだ)
そんなどうでもいいことを考えている梶野の前に、岬はA4の紙をだしてきた。
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