第3話 Gさんという霊能者

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 あれは今からどれくらい前に起こった出来事でしょうか。 もうすぐ平成という時代が終わってしまいますが、あの不思議な出来事が起きたのはそれよりもずっと前のこと。昭和という時代の終わりくらいでした。  あの時代、テレビの中で大活躍していた女性がいました。細身で、おばさんで、あまり美人ではない人でした。(こらこら……(-_-;))  彼女は専業主婦でしたが、特殊な能力を持っていました。それは霊の姿を見て、声を聞く能力です。  もちろん、インチキと陰口を言われる時もありました。オカルトにまつわる話題が上がるたび、必ず出てくる批判です。  ところが彼女の庶民的な人柄や語る言葉の優しさは、そのマイナスイメージを払拭するに余りあるものでした。彼女の人気は留まるところを知らず、テレビでその姿を見ない日はありませんでした。
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