1章 勇者と七つの大罪の監獄

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しかし、どうやってこの拘束から抜け出すのか。手足に枷をはめられ、両側には武器を持った見張りがついている。一瞬でも気を逸らす何かがあれば、自分が封印されるより先に、大罪の封印を解ける。 考えがまとまるより先に、勇者は監獄の入口へとたどり着いてしまった。 だが、足枷が外され、自らが封印される地下へと歩きだそうとした時、勇者は見た。見張りが自分の武器である剣を持っていることに。勇者は考えを再びめぐらせた。 封印には条件がある。魔王から大罪を犯したと認定されること。封印される場所は監獄の地下であること。そしてなにより、封印には長年自分が持っていた何かを楔にすること。 楔として自分の武器が使われることを理解した勇者は、まだ自分の魔力と剣が繋がっていることを察した。それもそうだ。自分と繋がりがなければ封印は施されない。 枷により戦うことは出来ないが、一瞬の隙くらいは作れる。その間に七つの大罪全員とは行かなくても1人くらいは助け出せるのではないか。 勇者は軽く微笑んだ。希望の光が見えたからだ。あとはただ、願うことのみ。自らの決意が七つの大罪に届くようにと。
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