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私達は王家に仕えるために育てられてきました。
それが私達の生きる意味であり、使命でした。
しかし私はこの旅路で、仲間の死から多くを感じました。
今ならヴァットの涙の意味がわかります。
今ならアーが訓練に命を懸けた理由がわかります。
今ならディンにとっての恋人の大切さがわかります。
今ならミアナンデとアットの彼らを想う気持ちがわかります。
揺らぐのです。
どうにも揺らぐのです。
何か、まるで地面のように大きな、自分が今まで信じ続けてきたものが。
教えてください。お嬢様。
私の本当の名を。
私の強さを。
恋人との幸せを。
友人との日々を。
なぜ彼らは死ななければならなかったのですか。
お嬢様の旅路で、お嬢様のために、王家のために命を捧げて死んでいった彼らは、本当に生を全うしたと言えるのですか。
この夜景のために生きてきたのだと、そうお嬢様はおっしゃいました。
では私は。
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