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そんな旅をつづけてついにわたしはここ、せかいのはしっこボルヤルにたどりつきました。
わたしはかれに言います。
「まあとってもきれいなけしきね。きっと私はこれを見るために生きてきたんだわ」
かれはこたえます。
「ええ、とっても美しい眺めです」
わたしはかれにききます。
「ねえリーアバ、あの海のむこうには何があるの?」
かれはこたえます。
「お嬢様がフィクホンの隣国、グランネにございます。あの大海を越えると私たちは、いえお嬢様は世界を一周なさったことになるのです」
わたしはおどろきをかくせません。
「一周? ここはせかいのはしっこのまちでしょう?」
かれはこたえます。
「ええ。しかしながら端とは、私達フィクホンでの呼び名です。この世界に果てなどないのです」
あたまがついていきません。
「なにをいってるの? リーアバ」
かれはこたえます。
「世にはお嬢様のまだご存知ないことがたくさんあるのです」
わたしのことばをさえぎり、かれはつづけます。
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