婚活パーティー

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幸美は、相変わらず暗い。昔から明るくは無かったけど、何であのこと友達なの?と周りによく言われた。 「前空いてますか?」 「どうぞ。」 私の前にスーツ姿の眼鏡をかけたサラリーマン風の男性が座った。長身で誠実系。 「初めまして、俺伊波って言います。名前聞いてもいいですか?」 感じが良くて低音ボイスのいい声。私は、彼の声に聞き惚れてしまった。 「橘花です。よろしくお願いします。」 「こちらこそ。」 「私は、万雪の友達の市宮(いちみや)綾歌です。よろしくお願いします。」 明るくニコニコしながら自己紹介する綾歌さんは、楽しそうだ。 「橘花万雪さんと、市宮綾歌さんですね。そちらの方は?」 「八城幸美です。橘花さんと中学の同級生です。」 「そうなんですか?」 私と気まずい雰囲気なのに私と名前を出して仲良しアピール。少しイラッとなった。顔には出さないけど。 「へぇ。でも、綾歌さんと万雪さんは仲良さそうですが幸美さんは万雪さんと仲良しでは無いですよね。」 「…それは」 「意地悪で言ってるつもりは無いんですよ。ただ、万雪さんと仲良し同級生アピールに聞こえたので気になりました。」 初対面で私と幸美の関係を見抜いた伊波さんに驚いた。職業柄人をよくみてるのかと思った。 「(あの人よく分かってる。万雪とあのこじゃ、正反対だもの。何で一緒にいたの?)」 「(分かりません。ただ、趣味があったからだと思います。悪い子じゃ無いんですよ。)」 綾歌さんと、隣で幸美の事を話す。幸美は、うつむいてショボンとなっていた。相変わらずネガティブ。 しばらくしてから、人も集まりだして気がつけば席がいっぱいになっていた。 「万雪さん、外に行きませんか?」 そのお店は、外のテラスも綺麗でオシャレだから外でと言われて行きたかったので伊波さん誘われて嬉しかった。綾歌さんは、別の可愛い年下君と仲良く盛り上がっていた。
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