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飲み物を待つ間にガーデニングの花をみていた。後ろからゆっくり近付く足音に気付かないくらいに。
「橘花さんですよね?」
「貴方は、向日葵園の保育士さん。」
「はい。上城敦史(かみじょうあつし)です。橘花さんの甥っ子の勇佑(ゆうすけ)君のクラス担任です。」
爽やかな可愛い笑顔の上城先生は、眩しいばかりの笑顔で近付いて挨拶をしてきた。
「勇佑がお世話になってます。一度お迎えに行っただけなのに覚えていただいて嬉しいです。」
「勇佑君、橘花さんが迎えに来てくれて嬉しそうでしたよ。自慢の叔母さんだって。僕は、橘花さんの弟の裕哉(ひろや)の高校の同級生で裕哉も橘花さんの事褒めてました。」
私の兄弟に、勇佑の父親である兄の橘花遊吏(たちばなゆうり)と弟の裕哉がいる。
「そうなんですか。それで、ひろに聞いて婚活パーティーに?」
「偶然ですよ。裕哉は、お姉さんが婚活パーティーに行くと知ってても教えてくれません。それぐらい、お姉さんが好きみたいですから。」
裕哉は、25歳。明るく、前向きで私とは性格が真逆。兄の遊吏も明るくて豪快な消防士の36歳で妻子持ち。私の家族は男が明るく女は冷静。お陰で仲良し。
「早く彼女作って欲しいです。」
「それは、お姉さんが気がかりだからできませんよ。」
飲み物を取りに行ってくれてた伊波さんが帰ってきて私にアイスティーを差し出した。
「お邪魔したみたいですみません。」
「いえっ、彼は弟の友達でそれで話してただけですよ。」
「…僕は、裕哉からお姉さんの事聞いてたから気になったのもありますが、実際会って話してみて尚更興味がわきました。僕、橘花さんと付き合ってみたいです。」
「宣戦布告ですか?楽しそうだな。じゃあ、俺も混ぜて下さい。」
「ノリが軽すぎる。私、他の人とも話したいので失礼します。」
巻き混まれそうでその場から立ち去った。すると、シェフが私に声をかけてくれた。
「退屈そうだけど大丈夫かい?無理に誘って悪かったね。」
「そんな事無いですよ。いい出会いがまだ見つからなくて探してます。それに、こういう場が初めてだから多少緊張してるだけですよ。」
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