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年上の余裕と年増と言われた事への小娘(笑)への仕返し。冷静にしているけど心はズタズタだった。
「万雪さんて頼もしいな。益々気に入ったよ。」
「私は、ノリが軽いのは受け付けないから。」
「もっと俺を知れば気持ちが変わるかもしれない。」
「一度嫌になれば変わることなんて無いから。」
からかわれている。私は、伊波さんの前から去って行こうとした。すると、突然手首を捕まれて壁際に押し付けられて強引なキスをしてきた。
「んんっ!?」
「万雪さんの唇凄く柔らかくて甘かったよ。あまり、キスの経験無いでしょ?」
「馬鹿にしないで!こんな事する人大嫌い!!」
「冷静じゃない万雪さんの顔見れて満足。これで、来週からの出張頑張れそうだな。」
「それは良かったわね。二度と私に関わらないで!」
「それは無理かな?万雪さんを気に入ったから。」
「他に探せばいいでしょ?私に執着する理由なんて無い。私は、不愉快よ。」
よりによって一番嫌いなタイプに好かれるなんて私の男運もよくないなとガッカリしてしまう。でも、さっきの壁際の強引なキスの感触が頭から離れ無かった。トイレに入り座ってため息をつく。
「悔しいけど過去にあんな大胆なキスされた経験なんて無いし、キスで感じた事なんて無いわよ。だからって、好きになんかならない。」
一人言をはきおえると出て、鏡の前に立ち自分の顔をジーッと見ていた。にやけていないかチェックして唇に指をあててぼんやり。と、我に返り首を左右に振って頬を叩いて目を覚ました。
「馬鹿みたい!何で、あんなチャラい男に私が翻弄されないといけないのよ?タイプじゃないし、大嫌い!!」
「凄い、嫌われようだな?」
「ストーカー!?信じられない。」
トイレから出ると壁際に伊波さんが立っていて。私の言葉を聞いていたらしい。一瞬驚いたけど無視して素通りしようとした。
「退屈してるなら楽しい所に行こうか?」
「行かない!他の人と話して無いから。」
「他の人と話す必要なんてあるならいいけど?」
「自信あるみたいだけど、私は他の人とも話がしたいの。」
「強がってるように見えるけど気のせいかな?」
相変わらず余裕のある悪戯に微笑する声が私をいらつかせた。でも、彼の言うとおりでぐうの音も出ない。
「分かったような事言わないで!私の何を知ってるって言うのよ?」
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