1432人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
宿に戻って、荷物をまとめ
民宿のおばさん達にお礼を言った。
「こちらこそ、いっぱいお手伝いしてくれてありがとうね。
あぁ、3人の内の誰かが 息子の彼女だったら、
おばさんも安心なのにぃ~」
と言われて、苦笑い。
「おばちゃん、ごめんね。
この子は、譲られへんわ(笑)」
後ろから声がして、翔くんが 私の頭を撫でた。
先程の二人組の言葉が、ちらついて
翔くんの顔が、まともに見られない…
バスに乗り込み、後部座席の方へ歩くと
「ミユ、こっち!」と声を掛けられた。
「え? 翔くんは、前に座るんでしょ?」
「もう帰るだけやから、俺もゆっくりする」
そう言って、一番後ろの席に手招きされた。
後ろからでも感じる、尖った視線。
なんかもう、泣きそう (ノ_・,)
隣に座ると、翔くんが私の手をギュッと握った
「ごめんな。嫌な思いさせたな…
ちゃんと話をしたから。もう大丈夫やからね」
翔くんを見ると、優しい笑顔で頷いた。
「私、子供っぽいから… ごめんなさい 」
「俺は、そのまんまのミユが好きやの。
無理して背伸びしたり、大人ぶらなくていい。
それは、男の役目やから… ね」
「うん。ありがとう」
「今回、ミユが がんばり屋さんな事もわかったし
おばちゃん達も べた褒めやったよ。
『冬の間、バイトに来て欲しいわぁ』って、
言われるくらいにね(笑)」
その後は、友達や家族の話とかをして、
気づいたら、翔くんの肩にもたれて眠っていた。
頭を起こすと「ええよ。このままで…」と、
肩を抱いて、頭を撫でてくれた。
気持ちいいなぁ…
幸せだぁ(〃ω〃)
最初のコメントを投稿しよう!