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それから数日後。また画像が届いた。前回同様に車内を見渡すが、怪しい者はいない。私服の人すらいなかった。
中を覗くと、先日と同じ女性が写っていたが、今回は全裸になっていた。フローリングの床に横たわり、両手足はロープで縛られ、その表情には不安の色が見てとれた。
会社に到着するなり、さっそく同僚に見せると「おいおい、マジの変態じゃねーか」と語気を強めながら画像に食いついてくるのだった。以前とは違う同僚の熱い反応に、松山さんは満足していた。
「露出狂というよりはSMプレイの愛好家かな?」松山さんは小声で言った。
「そのどちらにせよ、画像をお前に送っているのは、この女じゃなくて、撮影している奴だろうな」
「次はどんな画像だろう」松山さんは自分の置かれている状況を楽しみ始めていた。
さらに数日後。いよいよ三枚目が届いた。
松山さんは画像を開いた途端「ひっ!」と短い悲鳴を上げ、iPhoneを落としてしまうのだった。周囲の乗客が冷ややかな視線を注いでくると、松山さんは慌ててiPhoneを拾い上げて電源を落とした。
そこには惨殺された女性の遺体が写っていた。首は鋭利なナイフのようなもので深くエグられ、骨が見えていた。
今この瞬間、同じ車両に猟奇的殺人鬼が乗っている。そう考えるだけで足が震え、全身の毛が逆立っていた。
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