Airdrop

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 目的駅に到着すると、松山さんは人混みを押しのけてホームに飛び出し、駅構内にある交番に走った。同僚に見せて自慢なんてしている場合ではなかった。 「ただのイタズラでしょ? ホラー映画のワンシーンかもしれないし、被害届けが出ていない以上、こちらは動けないね」息を切らしている松山さんとは対照的に、警察官の対応は冷ややかだった。 「もしもこの女性が本当に殺されていたら、どうするんですか?」 「インディーズ系の女優さんかもしれないでしょ」 「そんな・・・・・・」 「嫌ならAirdropを解除しておけばいいじゃないですか。一枚目が届いた時点で解除していないということは、次に何が来るか期待してたんでしょ? 違います?」 「・・・・・・」 「あと携帯に登録している名前を変更したほうが良いですよ。相手はあなたの反応を見て、顔と名前を一致させてしまったでしょうから。できれば車両も変えたほうがいいです。私からできるアドバイスはそのくらいです」 「なんで俺の方が変えないといけないんだ」とは言えないまま、松山さんは背中を丸めて交番を出ると会社に向かった。
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