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花火
(※読み方に違和感を感じた時は「本小説の読み方」をご覧下さい)
ピー ポー ウゥーゥ「この先赤信号ぉ△×%…」
また救急車が通り過ぎていく。
もう何度目かわからない。
近くに病院があるからなのは、わかってる。
もう四十分も待っているのに…
ふぅと吐くため息、何度目かな。
ため息ばっか、何度目だろ。
ダイキのやつ。
カナのやつ。
いっつも、時間どおり来るのに。
いっつも、くるの遅いけど。
私が遅刻したからってあいつまで
俺がスマホ調子悪い日に限って
こんなに遅れるなんて…
た
っ ま
あ に
ほんと くる!!
あ に
っ ま
た
ダイキの方から、この場所に呼び出しておいて。
別れるとか脅すから誘ったのに。
見てよ。
見ろよ。
ベルビュー・シティの時計塔の下。
七時、時計からアヴェ・マリアの音楽が鳴るまでに。
こんなわかり易いところないでしょ?
誰だって間違えようがないぞ?
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